第3回
「夏休みの過ごし方と教員採用試験の二次試験について」
梅雨も明け、本格的な夏となりました。今回は夏休みの過ごし方と教員採用試験の二次試験についてお話したいと思います。
夏休みの過ごし方について
受験生のみなさん
受験生のみなさんは、受験勉強に精を出していることと思います。千葉大学教育学部では、8月2日にオープンキャンパスがあります。当学部への受験を希望なさっている方は、ぜひ足を運び、情報を取りに来ていただきたいと思います。(オープンキャンパスの参加申し込みは終了しました。)
また本学部はオープンキャンパス以外にも学校を見る機会を設けています。事前に学務グループ入試担当(043-290-2514)にご連絡いただければ、大学に来た当日は職員さんたちとだけでなく、大学の先生ともお話をすることができます。ただし事前といっても直前ではだめです。きちんと計画を立てて、どういうことを聞きたいのか、何日に来るのか、何人行くのか、ということを整理してお伝えください。そうすれば、こちらでもどの先生が適任か考え対応することができます。ぜひ積極的に利用してみてください。
健康管理も大切です。暑い日が続きます。体調を自己管理してください。睡眠をよく取り、無理のない計画を立てて夏休みを乗り切ってほしいと思います。
在学生のみなさん
一番してほしくない夏休みの過ごし方は、一日中ダラダラし、気がついたらアルバイトだけで終わっていたというものです。勉強、旅行、帰省などいろいろとあると思いますが、メリハリをつけて生活してほしいと思います。目標を立てて夏休みを過ごすとよいでしょう。「この本を読みきるぞ。」「この課題は、2000字以上と言われたけど、10000字で仕上げてみよう。」「この事柄を徹底的に調べるぞ。」というように積極的な目標を立ててほしいと思います。
私はこれまでも、大学生活の中で「自分らしさ」がでる研究を行ってほしいと言っているのですが、実は大学のこの長期の休みこそ、みなさんの「らしさ」が出来上がる時期なのかもしれません。考えてみてください。夏休みは8月9月と二ヶ月あります。また春休みも2月3月と二ヶ月あります。つまり大学には一年に4ヶ月以上の休みがあるのです。これが4年間あると16ヶ月の休み、つまり一年と4ヶ月の休みがあるということです。4年間大学で勉強するといっても、そのうちの4分の1以上は休みなのです。
学期中は授業がありますから、まわりのみんなとほぼ生活パターンが同じです。これに対して長期の休みは、生活パターンが自分にゆだねられます。人とは違う「らしさ」を磨きあげるためには、長期の休みをいかに過ごすかが重要なポイントになるということです。夏休みは若い皆さんにとって様々なイベントが目白押しです。この機会をどういうふうに生かすのか。目標をたてて、こだわりをもって夏休みを過ごしてください。ただし過剰な目標を立ててしまうと、この暑さです。体力を消耗し、逆によくないこともあります。目標をたてるからには、その目標を達成したときの達成感も味わってほしいものです。主体的に計画しコツコツと段取りよく進めて夏を乗り切ってください。
教員採用の二次試験に向けて
教員採用試験の一次試験も終わり、もうそろそろ結果も出るころかと思います。教員採用試験の二次試験は、各県によって内容が異なりますが、学校で行われている勉強会や模擬面接などに積極的に参加してほしいと思います。
わが教育学部では、選修・分野等の単位でも取り組みが行われています。たとえば社会科では、長期委託研修生(いったん現場を離れて大学で研究を行っている現職の先生)の方が模擬面接をしてくださいます。このような機会に積極的に参加してみてはどうでしょうか。先生になられた皆さんの先輩方に、話を聞いてみるというのもよいと思います。
また教職サポートルームもあります。もうすでに予約が殺到しているようですが、まだの方は機会を見つけて利用してみてもよいかもしれません。
一生懸命勉強したにもかかわらず、二次試験で落ちてしまう人もいると思います。そういう場合、 千葉県 では臨時採用も多く募集していますので、ぜひ登録をしてほしいと思います。次の手立てをなるべく早く考え、行動に移すことが大切です。人は誰しも調子のよいとき、悪いときがあるものです。目先のことに一喜一憂せずに、大きな目標に向かって頑張ってほしいと思います。
ご検討をお祈りいたします。
(2008.07.29)
第2回
「教育実習の季節到来」
だんだんと日差しが強く感じられる季節になってきました。教育学部では教育実習の季節到来、といった感じでしょうか。
教育実習は、学部で受ける講義や演習とは異なり、教育現場に一定の期間身をおき、教師の仕事を体験するという意味で大変重要です。そして実習後の学部の授業は、実習で学び得た教訓や失敗を、実際に現場に出たときにどう生かしていくか、自分なりに深める場であると考えられます。ところで、教育実習生や新しく教員になった人たちの話に耳を傾けてみると、「現場では学部で勉強したことが役に立たない。」というような声を聞くことがあります。
今回は、このような声に対して答えてみようと思います。結論を先取りするならば、みなさんには、学部で学んだことが役に立つか立たないかではなく、どのように役立たせることができるのかを考えてほしいと思うのです。
学部で学ぶことと、現場で学ぶこととを、自分なりに整理して分ける
実際の教育現場では、子どもたちと関わることだけにとどまらず、たくさんの仕事があります。例えば、子どもに授業をするうえで、教科の内容に精通していることはもちろんですが、そのほかに教える技術(話し方や板書の仕方の工夫、ビデオやパソコンを活用する力など)や、よりよい教材をつくることが必要になります。さらに、同僚の先生方や保護者の方々とつきあい、よい関係を築いていくことや、学校管理や行政運営における校務分掌などがあり、かなり大変です。
このように考えると、大学で学ぶことは、教師になるために必要なことの何分の一しかないということが分かっていただけると思います。現場に出ると、学部で学んだことよりもっともっと多くのことを要求されるのは当然のことなのです。いくら教員養成大学の授業でも、教師になるために必要な全てのことを網羅しているわけではありません。学部で学べることと、現場で学べることがそれぞれにある、ということを十分に知ってほしいと思います。そして大学で学ぶことと、現場で学ぶことを、自分なりに整理して分けてほしいと思います。
整理して分けたあとは、どうすればよいでしょうか。
たとえば、日々の授業では、今学んでいることが教育現場のどこで生かせるのかを意識して臨んでほしいと思います。学んだ事がらを、自分なりにカテゴリーに分けて現場のどの場面に、どう生かせるのかを考えていくことが必要です。現場の問題に対して、学部の授業が役に立つか立たないかという考えではなく、どのようにしたら役に立たせることができるのかを自分で考えることが大切なのです。
自分なりに問題意識を深める
現場を体験してみて、皆さん個々人が経験したこと、感じたことはそれぞれ違うものでしょう。ですから学生みなさんの、全ての思いにお答えする処方箋としての授業はありません。一人ひとりが、自分が問題だと思うことを認識し深めるしかないのです。
そのときには、学部の講義や演習のほかに、大学の先生方や、友だち・先輩方の助言を得ることが大切になります。相手からの助言は、自分では気がつかなかった問題点を浮き立たせてくれるし、さらに自分の問題意識も深めていくことができます。そしてそこで深めた考え方は、みなさん一人ひとりの個性になっていくと思います。もう一言付け加えるならば、このようなことをじっくり考えられた人は、最後の卒業研究も迫力のある力作になるでしょう。
最後に
教育実習を境に、自分は教師には向いていないのだと挫折してしまう人がいます。そのような人に向けて、私は、何事もはじめからうまくいくはずなんてないのだから大丈夫だよ、と助言をいたします。これは慰めではなく本当のことです。私も学生時代、実習生として高校生を相手に教え、自分が話したことが、生徒に理解されないという経験をしました。自分では分かりやすくきっちり教えることができた、と思っていたのに、いざ感想を書かせてみると筋違いのとらえかたをする生徒もけっこう多く、人に何かを伝えるということは大変難しいのだとつくづく感じたことを覚えています。
大切なことは、失敗した原因を思い出し次にどう生かすか考えることです。そのために学部の授業や演習を受講しながら考えたり、先生方や友だち、先輩たちと大いに語ったりしていただけたらと思います。
(2008.06.01)
第1回
「ご入学おめでとうございます」
4月になりました。新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
今回お話することは、主に新入生のみなさんへ向けてのものですが、もちろん2、3、4年生のみなさん、大学院生のみなさんにも関係するところがあると思います。
大学で勉強するということはどのようなことなのか
高校までの勉強は、他人が敷いた レールを歩み、他人が設定した目標に自分の到達点を定めればよかったように思います。みなさんの高校生時代を思い返してください。たとえば大学受験をするにあたり、試験の範囲があらかじめ決まっています。試験対策として、この問題集をこなせばよいというような話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか? 高校での勉強は、このような勉強を効率よくして、試験でその力を発揮することが望まれていたと思います。
では大学ではどうなのでしょうか。大学では自分が何をしたいのかとか、明らかにしたいことは何なのか、ということを自分自身で見つけ、それに到達することを目指して勉強することが望まれます。つまり到達点や目標は、他の誰でもなく自分自身で決めることになるのです。
自分自身の問題意識をもち、課題を設定する。課題を設定したら、どのようにすれば 到達できるのか考える。こういうことを自分でする必要があるのです。データを集めたり、先行研究(すでになされている研究)の論文を読んだり、本を読んだりすること。アンケートを集めたり、実験したり、観察したりしてその結果を論理的に分析したりすることが大切になっていきます。
勉強していてわからないところがあるなら、大学の先生に相談する、友達と話し合う、先輩と話し合うということが必要になるでしょうし、積極的にそうしてほしいと思います。
大学はこのようなことを4年という時間をかけする場であると考えています。ぜひ自分の「らしさ」が発揮できるような大きな目標をたてて勉強してほしいと願っております。
千葉大学教育学部にはどのような特色があるか
千葉大学教育学部は、みなさんの熱意に答えられるよう、学生をサポートする体制を整えています。特徴のひとつとして、私大や他の学部と比べてみても、少人数授業ができていることが挙げられると思います。
新入生のサポートとしても、「新入生セミナー」という授業を設け、先生と学問について密にかかわることのできる場をつくっています。また千葉大教育学部の先生方はどなたもしっかりとした教育実績、研究実績のある人たちです。
みなさんにはこのような環境をぜひ有意義に生かしていただきたいと思っています。
先生のオフィスアワーなどを調べ、興味のあることがあればおそれずにメールをしてみたり、研究室に伺ってみたりすることは大変よいことだと思います。私をはじめ他の先生方も、やる気のある学生を大歓迎いたします。
新たな出会い 人間関係について
大学生生活は新たな出会いの場でもあります。人間関係についても少しお話いたします。私の学生時代は、団塊の世代で人が大勢いたこともあって、人間関係をあまり気にしていなかったのですが、今の若い人たちを見ていると、人間関係に対して神経質になっているように感じます。相手に悪く思われるんじゃないかとか、相手を傷つけないようにしようなど、デリケートになっている印象を受けます。
私の言いたいことは、はじめからあせらず、まずは様子をみるということです。部活やサークルに入ることもよいことですが、友達が入るからここに入ろうというようにはせず、じっくり様子や雰囲気をみてから行動に出ることが大切であると思います。
(2008.04.21) |